2012年04月20日

ビワマス初挑戦

先日、実に久しぶりに琵琶湖に行ってきました。
今回の目的は「ギン毛のビワマス」の捕獲。
採集方法はトローリングによる釣りです。
しかし僕は、トローリングについてはある湖でマスの釣獲調査で数回やった程度の素人。同行した友人も釣り好きではあるものの、トローリングは未経験。
こんな二人にはたしてビワマスは釣れるのか?

ネットでいろいろ調べて、ビワマス釣りに必要な申請だけは済ませておきました。

biwamasu1.jpg
琵琶湖海区漁業調整委員会から送られてきた腕章。

友人の自宅を早朝に出発。
雨の高速をひた走り、昼前には琵琶湖に到着。
二人してせっせと釣り支度を開始して湖に船を浮かべます。
とにかく早くビワマスを釣りたい、ビワマスの顔を拝みたいってな感じだったので、
写真なんか撮ってる余裕がない。
そんなわけで初日は釣りに関する写真がほとんどありません。

ひとまずレッドコアライン(糸の中に鉛が入ったトローリング専用のライン)を流します。
ビワマスのタナ(泳層)もよくわからないので、とりあえず100ヤード全部出してみる。
これでたぶんルアーは10mくらいのところを泳いでいるはず。
ちなみに水深は50mくらいのところ。

とさっそく友人の竿がひん曲がった。
「来てる。来てるよ」
流してるラインが長すぎていまいち引き味はよくなさそうだったけど、
あがってきたのは40pちょいのビワマス。
これは幸先いいねぇ。
ビワマスってこんなに簡単に釣れるの?
と思ったら甘かった。
その後が続かない。
途中何度かあたりが出るもののフッキング(魚が針にかかること)までいたらない。
しかもだんだんと風が強くなってきた。
これ以上は危険と判断してベースに帰ることに。

もうそろそろラインを巻き取るかと思っていたそのとき、
今度は僕の竿が引き込まれた。
「おっ!やっと来たよ」
上がってきたのはさっきのよりもほんの少し大きなビワマス。
とりあえず釣れてよかった。

「もう少しだけ流してみようか」ということになり、
ベースの前で再びトローリング開始。
と、またまた僕の竿にビワマスがヒット。
今度は最初のとほぼ同じサイズ。
その後友人がハスを釣り上げて、この日は終了。
いやあ、まずは釣れてよかった。

biwamasu2.jpg
初日の釣果。

つづく

posted by matsuzawa at 08:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月07日

春の多摩川で

今年は寒い日が続いたせいか、
例年に比べて生き物の活動が10日ほど遅れているようだ。
都内の桜もやっと昨日満開になったとか。
そんな桜の満開日にライターの友人から電話があった。

「今多摩川に来てるんですけど、マルタの産卵が始まりましたよ。かなり激しくやってます」
「すぐに行きます。今から出れば昼過ぎには着くかな」
と言ってはみたものの撮影機材をまったく準備していない。
急いであれやこれやを詰め込んで、
ひとまず車に積み込む。
大概こんなときは何かしら大事なものを忘れるので、
一通りチェック。
「よし!たぶん大丈夫!」

現場で友人と待ち合わせ、
マルタの産卵場を案内してもらう。
河川工事で川の感じがずいぶん変わっていたけど、
瀬では激しく水しぶきがあがっていた。

すでにこの日の産卵はピークに達しているみたい。

maruta2.jpg

maruta3.jpg

陸上から一通り撮影したところで、
今度は水中撮影。
しかしこのマルタ、なかなか警戒心が強い。
同属のウグイは産卵が始まれば人が目の前まで接近してもまったく逃げませんが、
マルタは一目散に逃げていく。
カメラを構えて、しばらくそこで石のようにじっとしていても、
一向に寄ってくる気配がない。
たまたま1匹だけカメラの前を横切ったので、
2カットだけ撮影できたけど、
水中はそれで終了。

maruta1.jpg

再び陸に上がりカメラを構える。
産卵の様子を観察していると、
マルタの中にウグイも混じっていることに気がついた。

maruta4.jpg
こちらがマルタ。
赤い線は腹側だけにあります。

maruta5.jpg
これがウグイ。
赤い線が腹と背にあります。

見ているとウグイとマルタそれぞれが、
別の群れで産卵しているわけではなさそう。
これだけ近い種が一緒に産卵したら交雑が頻繁に起きそうだけど、
どうなんだろう。

posted by matsuzawa at 09:05| Comment(8) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

チャンス

うちの近所のヒキガエルの産卵は、
2〜3日で終わってしまう。
1年のうち、たったの2〜3日…。
何かの予定と重なってしまうと、
その年はもう撮れないんですね。
また来年となってしまうのです。
まあ、魚でもそんなやつはけっこういるわけですが。
生き物の撮影チャンスってほんと少ないよなぁ。

昨日は昼間にも産卵場を訪れてみたけど、
ヒキガエルの姿はありませんでした。
しかたがないので付近を散策。
山の斜面にタチツボスミレが咲いてました。

tatitubosumire.jpg

きれいな花です。

自宅に戻ってからはワカサギの卵を撮影。

wakasagiegg.jpg

この卵、採集した親を使って人工授精でとったものです。
写真を見る限り順調に発生が進んでいるみたい。

暗くなってからはしつこくヒキガエルの産卵場へ。
泥地で2ペアだけ確認できました。

posted by matsuzawa at 10:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月05日

やっぱり水中撮影

濁りが強くて水中撮影には厳しい場所を泳ぐワカサギ。
でも、やっぱり水中から撮影してみたくて、
カメラを沈めてみました。

wakasagi3.jpg

しかし上から見て見えないものは、
水中で見ても同じ。
透視度(水平方向に見える距離)は20pくらいしかありません。
だからワカサギがちょっとレンズから離れればすぐに見えなくなるし、
こちらに近づくと、突然濁りの中からレンズのすぐ目の前に姿を現します。
しかも川の流れに魚が翻弄されて、
奥に行ったり手前に来たり。

撮影しづらいことこの上ない水域だったけど、
濁った川の雰囲気はよく出たかな?
(きれいな川の中を泳ぐ魚の写真のほうが気持ちいいんですけどね)


posted by matsuzawa at 17:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月26日

需要と供給

最近シラスウナギ(ウナギの幼魚)の価格が高騰しているようですね。
なんでも1sあたり200万円もするのだとか。
1本数百万円するクロマグロだって、
s単価数万円のもんでしょう。
なんて高い魚なんでしょう。ウナギ。

nihonunagi.jpg
シラスウナギ(ニホンウナギの幼魚)

しかしここまで高いのにはわけがあります。
簡単に捕れないから高いんですよね。
供給が多くなれば安くなるのは当然の話。
需要が供給を大きく上回れば、
値が上がるのも当然。

ところでシラスウナギ1sってどの程度の数なんでしょう。
1匹あたり1gもないのは明らかなので、
少なくとも数千匹はいないと1sに達しないですね。
こりゃ漁師もシラスウナギ捕まえるの大変だわ。

posted by matsuzawa at 03:02| Comment(4) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月11日

佃煮

先日利根川近くの土産物屋でタナゴの佃煮を見つけました。
「そういえば食べたことがないな」ということで、
1パック購入。

自宅に帰りパックを開けると、
食べる前にどうしても悪い癖が。
そうです。
佃煮のタナゴがなんなのか知りたくなるのです。

これは種の特徴が出ています。
DSCF7996.JPG
タイリクバラタナゴで間違いないでしょう。

うーん?これは?
DSCF7999.JPG
画像を拡大すると側線鱗が完全(体側全体にある)なので、
タイリクバラタナゴではないのはわかるんだけど。
アカヒレタビラ?ヤリタナゴ?

またまたこれは?
DSCF7998.JPG
オオタナゴ?かな?

さらにこれは?
DSCF7997.JPG
やはりアカヒレタビラかな?

結局タイリクバラ以外はまったくわかりませんでした。

最近色々な魚の干物なんかも撮ってるんですが、
加工された魚の種の同定は本当に難しい。

posted by matsuzawa at 23:23| Comment(5) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月18日

タナゴが激減

このところタナゴ好きの友人と話していると必ず話題に上ることがある。

「最近霞ヶ浦や北浦は本当にタナゴが減ったよね」

10年前はいくらでも釣れたアカヒレタビラが、
信じられないくらいに減っている。
マタナゴ(タナゴ)は当時から少ないタナゴでしたが、
今では滅多に見られない魚になってしまった。
何しろ一時期爆発的に増えた外来種、
オオタナゴでさえ減ってますからね。

「いったい何が原因で減っているのだろう」という話に当然なるわけですが、
はっきりしているのは産卵母貝となるイシガイやドブガイ全くいないこと。
(タナゴの仲間はこのような二枚貝の中に卵を産みます)
10年くらい前は岸近くでいくらでも見られたイシガイやドブガイですが、
タナゴが激減し始めた4〜5年前から貝も減っているのです。
卵を産む場所がなくなれば、タナゴが減るのは当然なんですよね。

では貝が減った原因はなんなのでしょうか?
水質が特に悪くなったわけでもなく、
湖全域で大規模な工事が行われたわけでもない。
目立った環境の変化はないものの、ひとつだけ気がかりなことがある。
それはアオウオという中国原産の淡水魚が増えていること。
アオウオは太平洋戦争中に利根川に移殖され、
その後も繁殖してはいるのですが、
数はさほど多くはありませんでした。
しかし10年ほど前から霞ヶ浦や北浦で、
アオウオの幼魚や若魚が漁師の網に頻繁にかかるようになったのです。
これらはどうやら養殖施設から逃げた魚とのこと。
アオウオは最大で160pを超える大型淡水魚で、
最近霞ヶ浦や北浦で捕れているのはほとんどが1mを超えている。
当然大食漢。しかも主食は貝などの底生生物。
アオウオの存在と貝の減少の因果関係について論文がないのではっきりとはわかりませんが、可能性としては十分に考えられるので調査が必要でしょうね。


posted by matsuzawa at 18:07| Comment(5) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月02日

小川にて

ここ数日、天気が良い日は近所の小川に出かけています。
幅1m、水深30pに満たない細く小さな流れ。
そこに潜って(というか浸かって)、
日が良く差し込む午前中の間だけ水中撮影。

medaka9.jpg
狙いはこいつ。
medaka8.jpg
メダカです。

メダカの生息地は家の近所にいくつかありますが、
それなりに数がいて、
しかも水中撮影ができる透明度のある川はここしか知りません。
田んぼの間を縫うように流れるとてもいい川です。

しかし最初に書いたようにとても小さな流れです。
僕が入ればダムになって水をせき止めてしまいそうな川。
そんなところで真っ黒いドライスーツに身を包み、
もじもじ君のようなフード(潜水用の帽子)をかぶった人間が川に浮かんでいたら、
見た人はぎょっとするでしょうね。
実際そんな格好で道路を歩いていると、
すれ違う人たちが何を聞くでもなくただじろじろ眺めていきます。
不審に思われているのがいやというほどわかるので、
とりあえずあいさつだけはしておきますが、
メダカを撮影していることまでは話さないので、
ますます怪しい人に思われるかな?

posted by matsuzawa at 21:49| Comment(3) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月06日

ネイチャーテクニカラー

IMG_0190.jpg
8月に発売になったカプセルトイ、「ネイチャーテクニカラー 日本の清流」。
同封されているミニパンフレットに淡水魚の写真を使っていただいたのですが、
本日見本として商品を送ってくださいました。

以前にも株式会社奇譚クラブのフィギュア、
タカアシガニをこのブログで紹介したことがありますが、
今回の淡水魚もホントよくできています。
これは淡水魚好きにも納得のできばえですね。

さてミニパンフレットを見ると今回のシリーズには淡水魚が10種。
うち1種がシークレットなのですが、
このシークレットの魚は僕がもっとも好きなヤツ。
なんで「日本の清流」なのにヤツが出てくるのかなと思ったのですが、
「日本最後の清流」にかかってるんですね。
(おっと偶然にもタカアシガニの上にヤツが…)

株式会社奇譚クラブのサイトはこちら
posted by matsuzawa at 22:38| Comment(4) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月31日

黒斑?

minami.jpg
写真は先日うちで殖やしたミナミアカヒレタビラ。
貝から浮出してまもなく1ヶ月になろうかというところです。
(この仲間は二枚貝の中に卵を産みます)
大きさは1,5pくらいでしょうか。

ミナミアカヒレタビラは酷似するアカヒレタビラ、キタノアカヒレタビラと違って、
幼魚のうちは背鰭に黒斑が入るのが特徴とされています。
しかし写真の幼魚にはそれらしい黒斑が見当たりません。
(背鰭の背景が黒いのでわかりにくいかもしれませんが、肉眼でも確認できません)
親魚は間違いなくミナミアカヒレの分布域のものなのですが、
幼魚の間に黒斑が出ないものがいるのでしょうか?

それとももう少し成長してから出てくるのかな?
posted by matsuzawa at 21:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月21日

レインボーシャイナー

友人の観賞魚店にちょっと変わった魚が入荷していたので撮影させてもらいました。

rainbow.jpg
なんだかタモロコやスゴモロコを派手にしたような、
そんな魚。

日本の淡水魚に似た雰囲気はあるけど、
和風ではない色彩。

レインボーシャイナーという魚だそうです。
はじめて見る魚だったのでネットで検索してみると、
Notropis chrosomusという魚のようでした。

さらにFish Baseで調べてみると、
そこには上の魚とは比較にならないほどド派手な魚の写真。

ちなみに北米のコイ科魚類で、
観賞魚としては稀に流通する程度のようです。
posted by matsuzawa at 11:02| Comment(6) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月11日

オタマジャクシ?ナマズ?

先日千葉県のとある川でサンプリングをしていたときのこと、
少し離れた場所で採集していた千葉県立中央博物館の佐土さんが、
小さいオタマジャクシのような生き物をビニール袋に入れて戻ってきました。

それを見て、子供の頃その場所からほんの数キロはなれた川に遊びに行ったとき、
同じような生き物を捕まえた記憶がよみがえってきました。

そこはわりと大きな滝つぼなんですが、
ヒキガエルのオタマジャクシに色も大きさもそっくりな生き物が、
時折縁をチョロチョロと泳いでいました。
なにぶん動きが遅いので、
手でも簡単にすくえてしまう。
手のひらに浅く水を張ってようく観察してみると、
口に短いひげがありました。
「ああ!これはナマズの赤ちゃんか」と当時は思っていたのですが、
今になって考えてみると、
夏の盛りにナマズの幼魚がそんなに小さいはずはないんですね。
なにせナマズの産卵期は5〜6月ごろ。
夏には8cmくらいにまで成長しています。

ではその正体はいったい何かというと…。

gibati.jpg
ギバチの赤ちゃんでした。
よくみると脂鰭(赤線のところ)があるのがわかります。
この鰭はナマズにはありません。

ちなみにですがこのギバチ、
かなり気が荒いです。
ギバチ同士でもかなり激しく闘います。
まず間違いなくどちらか一方が死ぬことになりますから、
飼育するときは必ず単独で飼いましょう。

posted by matsuzawa at 23:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月05日

よく似ているけれど

日本の淡水域はとても身近な自然環境で、
人が立ち入ることができないような場所はほとんどありません。
そのためそこに暮らす淡水魚についてもよく調べられています。
しかしそんな淡水魚であっても数年に一度は新種が報告されています。

新種というと誰も目にした事がないようなものと思われる方もいるかもしれませんが、
実は案外身近にいるようです。
それというのも淡水魚の場合、
それまで知られていた種の中に、
よく似た別の種が含まれていたというケースがとても多いからです。

例えばこの魚。
G1.jpg
カマツカです。

カマツカは国内に広く分布しており、
なおかつ中流から下流、湖沼など色々な環境で見られる、
いわば普通種です。
最近カマツカでは遺伝的に異なる3つのグループの存在が明らかにされていて、
これらはそれぞれ別種と考えられています。
上の写真は兵庫県産。
G3.jpg
こちらは千葉県産。

たしかに写真を見比べると頭の大きさや模様が違いますね。
でもカマツカは1種という先入観があると、
こうした違いには誰も気付かないわけです。

カマツカに限らず、
先入観を持たず色々な地域の魚を見た人が、
こうしたわずかな違いに気付くのでしょう。
(分子レベルの解析がきっかけになることも多いようですが)

さて僕が気になっている魚の一つにオイカワがいます。
この魚も国内に広く分布する普通種なんですが、
自宅近くで捕れるオイカワと、
九州で捕れるオイカワでは吻端(頭の先端)に違いがあります。
九州のオイカワは吻端が鮮やかな赤なのですが、
自宅近くのものはよーく見ないとわからないほど赤が薄いのです。
まあ千葉と九州なので、
同種でそのぐらいの色の違いがあっても不思議じゃないですが、
どうも気になるんだよなぁ。
(すでに誰か調べてるのかな?)

posted by matsuzawa at 22:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月01日

アブラボテ

aburabote.jpg
今日の写真はアブラボテという淡水魚。

鮮やかな種が多いタナゴの仲間ですが、
本種は茶色でかなり地味。
でもこれはこれで味があります。

難点は産卵期になるとオスがかなり気性が荒くなること。
もう少しおとなしいといいんですけどね。
posted by matsuzawa at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月30日

識別

カメラマンになってしばらくした頃、
撮影の対象が海水魚から淡水魚へとシフトしていきました。

ただ日本産の淡水魚についてはあまり詳しくなかったので、
図鑑を毎日のように読んで知識を詰め込んでいました。

そこでとにかく困ったのが、
淡水魚には非常によく似た種が多くて、
掲載されている写真からはまったく違いがわからなかったこと。

たとえばこの魚。
kawabata.jpg
カワバタモロコです。

それとこちら。
hina.jpg
ヒナモロコです。

今なら瞬時に識別できますが、
当時は同じ魚にしか見えませんでした。

他にもウシモツゴとシナイモツゴ、
ビワヒガイとカワヒガイなんてのも、
「いったいどこが違うのよ」でしたね。

ただそんな魚たちを採集し、
実物を手にとってみると、
写真からはわからなかった違いに気付きました。

やはり本だけの知識ではなく、
実物に触れる事が大事なんですね。

posted by matsuzawa at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月19日

クニマス再発見

連日の報道も少し落ち着いた感がありますが、クニマスが再発見されましたね。
釣り用にヒメマスが放流されている湖にもかかわらず、よくぞ生き残っていたものです。
本当にすごい!!

日本産の淡水魚で絶滅種とされているのはクニマス(再発見されましたが)の他に、スワモロコとミナミトミヨがいます。この魚たちもどこかでひっそりなんてことはないかなぁ。


nerka.jpg


さて今日の写真ですが、秋にとある湖で「ヒメマス」ということでいただいた魚です。みなさん、この色を見てどのように思われますか?

posted by matsuzawa at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月14日

怪しい

ニジマスは釣魚としてあちこちの川に放流されている割に、
けっこう簡単に釣られてしまうためか、
大物に出会う機会は滅多にありません。
そんな大物ニジマスに北関東某川で出会いました。

nijimasu.jpg

写真のニジマスは50センチ弱あります。
このくらいになると体側の赤い帯も鮮やかで、ホントきれいな魚です。

ところで川に長時間潜っているとどうしても寒くなるので、
夏でもダイビング用のフードをかぶります。
ネオプレーンゴムでできた保温性に優れたフードで、
見た感じはスピードスケートというかもじもじ君というか、
まぁあんな感じのものです。
しかし水温が10℃をきるとそれではとても耐えられません。
そこで登場するのが冬の川用のフード。

hood.jpg


このフードはほとんど水が入ってこないので、
かなりあったかいのです。
(といっても夏に使うフードにくらべてというレベルですが)

しかし穴が開いているのは眼と口の部分だけ。
しかも口はスリットが入っているだけなので、
シュノーケルを咥えないと思うように息ができず、
陸上ではけっこう苦しいです。
そして車の窓に映る姿を見ながら思いました。
傍目には相当怪しいなと。

そういえば以前こんな格好で森の中を歩いていたら熊に間違えられたことがあります。二足歩行していたのに…。

雪が降る湖を泳いでいたら鹿に間違えられたことがあります。せんとくんみたいな角は生えていないのに…。

琵琶湖の水面に頭を出して呼吸していたら川鵜に間違えられたことがあります。シュノーケルが川鵜の首に見えたのかな。

見間違えた人たちがハンターじゃなくてよかった。

posted by matsuzawa at 17:39| Comment(7) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月30日

ベローズ

ここ数日メダカの撮影にかかりっきりです。


medakatigyo.jpg


撮影しているのは孵化して間もないメダカの稚魚。
かなり小さいです。
全長は3oくらいかな。

そんなサイズの生きものをそれなりの大きさに写すには、このような道具を使います。

bellows.jpg


カメラ本体とレンズの間にある蛇腹、「ベローズ」です。
これをかますことによりだいぶ拡大できるのですが、一方で撮影に難しい面も出てきます。

それは被写界深度(ピントが合う範囲)が極端に狭くなること。
今回撮影している方法では、被写界震度はおそらく1oもないかも。
そんな状態だからふつうベローズを使うときは、動かないもの、あるいは極端に動きが鈍いものしか撮影しません。
ただ、今回は他によい方法が思い浮かばなかったので、無理を承知で稚魚の撮影に使ってみました。

しかしピントを合わせる以前に、稚魚をファインダーの中にとらえることからして難しすぎる。
なにしろ画角は極端に狭いし、レンズが向く先に稚魚がいても、ピントが合っているところに稚魚がいてくれないととらえようがないのです。
カメラを前後してみたり、左右に振ってみたりするうちに、おぼろげながら影が見えたらすかさずピントを合わせてシャッターを切ります。

とまあ、結果数多くの無駄撃ちをしたわけですが、その中にあった一枚が今日の写真です。

posted by matsuzawa at 19:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月26日

新潟県のシナイモツゴ

先週久しぶりに新潟県で採集してきました。
向かった先がこちら。

tameikeniigata.JPG

シナイモツゴがすむため池です。

写真からこの池の大きさがわかるでしょうか?
だいたい8畳ほどしかありません。水深は深いところで50センチくらい。この池がある地域は豪雪地帯なので、冬になれば雪に覆いつくされます。池の規模からして、底まで雪に押しつぶされてしまうのではなんて思えるくらい小さい池です。さすがにこのため池は僕が知るシナイモツゴがすむ池の中でも特に小さなものですが、こんな場所で命をつないでいるのです。

新潟県にはまだ点々とシナイモツゴがすむ池があります。しかし以前に比べれば徐々に生息地が減っています。シナイモツゴが減少している原因は大きく分けて二つ。一つは同属のモツゴの侵入。そしてもう一つがオオクチバスやブルーギルの侵入です。オオクチバスとブルーギルが侵入するとなぜいなくなるのかは、もはや説明の必要はないかもしれませんね。そうです、直接捕食されてしまうためです。

では同属のモツゴが入るとなぜシナイモツゴがいなくなるのでしょう?それは両種の間に交雑がおこるためです。モツゴとシナイモツゴの雑種には繁殖能力がなく、それ自体は一代限りで姿を消します。ではなぜモツゴだけが残るのか?そこにはモツゴとシナイモツゴのメスが繁殖の際にしっかり同種のオスを選んでいるのかということが関係しているようです。

「希少淡水魚の現在と未来−積極的保全のシナリオ−」(信山社)によれば、野外から得られた雑種はすべてメス親がシナイモツゴ、オス親がモツゴという組み合わせだそうで、メス親がモツゴ、オス親がシナイモツゴという雑種はまったく見つからないそうです。このことからモツゴのメスはしっかりとモツゴのオスを繁殖の際に選んでおり、一方でシナイモツゴのメスは交雑をくりかえすため、時間とともにシナイモツゴが消えモツゴに置き換わってしまうと考えられているのです。


sinaimotugo.JPG


同じ日本の淡水魚でも、本来いなかった場所に移動させると、もともといた魚を駆逐してしまうことがある代表的な例かもしれませんね。

posted by matsuzawa at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月15日

やっと撮れた

数年前から欲しかった魚がやっと手に入った。
それがこの魚。


_DSC0015.jpg



クルメサヨリです。

10年ほど前、標本撮影用に北浦に採集に行ったときはあっさり釣れました。当時は他の魚を採集していても、けっこう水面を泳ぐ姿が見られたのですが、最近はどんなに探してもまったくダメ。過去に見た記憶がある場所に時期を変えて何度も通ったのですが、ぜんぜん捕れないどころか、見つけることさえできない。

しっかり記録をつけていたわけではないので絶対とはいえませんが、ぼくの感覚では霞ヶ浦、そして北浦ではかなり減っているように思います。

これほどやって捕れないと、もはや自力での採集は無理と判断し、昨年「原寸大すいぞく館」の撮影でたいへんお世話になったアクアワールド茨城県大洗水族館の副館長さんに相談しました。

なにしろ副館長さんは大の釣り好き。しかもテレビの釣り番組に出演するほどの腕前。さらに展示用の魚を自ら採集している。茨城県の魚だったらこの方しかいないと思い、数ヶ月前に電話をしたところ、「秋になれば確実に捕れるよ」とのお返事。
そしてついに昨日捕まえてくださいました。

さて、このクルメサヨリ、とにかく弱い。相当慎重に扱わないとすぐに死んでしまいます。それこそ自宅に持ち帰ることさえままならないくらい弱いのです。しかしそこは水族館でふだんからいろいろな種類の魚を扱う飼育のプロ。バックヤードの水槽に泳ぐクルメサヨリは抜群の状態でした。

ところでそのバックヤードで気になる魚を見つけました。一見メナダに見えるのですが、よくよく見るとどうもコイ科みたい。
「この魚はいったいなんですか?」
「これは韓国の魚なんですよ。企画展で韓国の魚を展示してるんです」

うーん、これはぜひとも見たい。でも一刻も早くクルメサヨリを持ち帰って撮影せねば。大事な魚を死なせるわけにはいかないということで、後ろ髪を引かれながら帰路につきました。でも近いうちに見に行こっと。

企画展の詳細はアクアワールド大洗のサイトで。

posted by matsuzawa at 21:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする