2010年10月30日

ベローズ

ここ数日メダカの撮影にかかりっきりです。


medakatigyo.jpg


撮影しているのは孵化して間もないメダカの稚魚。
かなり小さいです。
全長は3oくらいかな。

そんなサイズの生きものをそれなりの大きさに写すには、このような道具を使います。

bellows.jpg


カメラ本体とレンズの間にある蛇腹、「ベローズ」です。
これをかますことによりだいぶ拡大できるのですが、一方で撮影に難しい面も出てきます。

それは被写界深度(ピントが合う範囲)が極端に狭くなること。
今回撮影している方法では、被写界震度はおそらく1oもないかも。
そんな状態だからふつうベローズを使うときは、動かないもの、あるいは極端に動きが鈍いものしか撮影しません。
ただ、今回は他によい方法が思い浮かばなかったので、無理を承知で稚魚の撮影に使ってみました。

しかしピントを合わせる以前に、稚魚をファインダーの中にとらえることからして難しすぎる。
なにしろ画角は極端に狭いし、レンズが向く先に稚魚がいても、ピントが合っているところに稚魚がいてくれないととらえようがないのです。
カメラを前後してみたり、左右に振ってみたりするうちに、おぼろげながら影が見えたらすかさずピントを合わせてシャッターを切ります。

とまあ、結果数多くの無駄撃ちをしたわけですが、その中にあった一枚が今日の写真です。

posted by matsuzawa at 19:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月26日

新潟県のシナイモツゴ

先週久しぶりに新潟県で採集してきました。
向かった先がこちら。

tameikeniigata.JPG

シナイモツゴがすむため池です。

写真からこの池の大きさがわかるでしょうか?
だいたい8畳ほどしかありません。水深は深いところで50センチくらい。この池がある地域は豪雪地帯なので、冬になれば雪に覆いつくされます。池の規模からして、底まで雪に押しつぶされてしまうのではなんて思えるくらい小さい池です。さすがにこのため池は僕が知るシナイモツゴがすむ池の中でも特に小さなものですが、こんな場所で命をつないでいるのです。

新潟県にはまだ点々とシナイモツゴがすむ池があります。しかし以前に比べれば徐々に生息地が減っています。シナイモツゴが減少している原因は大きく分けて二つ。一つは同属のモツゴの侵入。そしてもう一つがオオクチバスやブルーギルの侵入です。オオクチバスとブルーギルが侵入するとなぜいなくなるのかは、もはや説明の必要はないかもしれませんね。そうです、直接捕食されてしまうためです。

では同属のモツゴが入るとなぜシナイモツゴがいなくなるのでしょう?それは両種の間に交雑がおこるためです。モツゴとシナイモツゴの雑種には繁殖能力がなく、それ自体は一代限りで姿を消します。ではなぜモツゴだけが残るのか?そこにはモツゴとシナイモツゴのメスが繁殖の際にしっかり同種のオスを選んでいるのかということが関係しているようです。

「希少淡水魚の現在と未来−積極的保全のシナリオ−」(信山社)によれば、野外から得られた雑種はすべてメス親がシナイモツゴ、オス親がモツゴという組み合わせだそうで、メス親がモツゴ、オス親がシナイモツゴという雑種はまったく見つからないそうです。このことからモツゴのメスはしっかりとモツゴのオスを繁殖の際に選んでおり、一方でシナイモツゴのメスは交雑をくりかえすため、時間とともにシナイモツゴが消えモツゴに置き換わってしまうと考えられているのです。


sinaimotugo.JPG


同じ日本の淡水魚でも、本来いなかった場所に移動させると、もともといた魚を駆逐してしまうことがある代表的な例かもしれませんね。

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2010年10月15日

やっと撮れた

数年前から欲しかった魚がやっと手に入った。
それがこの魚。


_DSC0015.jpg



クルメサヨリです。

10年ほど前、標本撮影用に北浦に採集に行ったときはあっさり釣れました。当時は他の魚を採集していても、けっこう水面を泳ぐ姿が見られたのですが、最近はどんなに探してもまったくダメ。過去に見た記憶がある場所に時期を変えて何度も通ったのですが、ぜんぜん捕れないどころか、見つけることさえできない。

しっかり記録をつけていたわけではないので絶対とはいえませんが、ぼくの感覚では霞ヶ浦、そして北浦ではかなり減っているように思います。

これほどやって捕れないと、もはや自力での採集は無理と判断し、昨年「原寸大すいぞく館」の撮影でたいへんお世話になったアクアワールド茨城県大洗水族館の副館長さんに相談しました。

なにしろ副館長さんは大の釣り好き。しかもテレビの釣り番組に出演するほどの腕前。さらに展示用の魚を自ら採集している。茨城県の魚だったらこの方しかいないと思い、数ヶ月前に電話をしたところ、「秋になれば確実に捕れるよ」とのお返事。
そしてついに昨日捕まえてくださいました。

さて、このクルメサヨリ、とにかく弱い。相当慎重に扱わないとすぐに死んでしまいます。それこそ自宅に持ち帰ることさえままならないくらい弱いのです。しかしそこは水族館でふだんからいろいろな種類の魚を扱う飼育のプロ。バックヤードの水槽に泳ぐクルメサヨリは抜群の状態でした。

ところでそのバックヤードで気になる魚を見つけました。一見メナダに見えるのですが、よくよく見るとどうもコイ科みたい。
「この魚はいったいなんですか?」
「これは韓国の魚なんですよ。企画展で韓国の魚を展示してるんです」

うーん、これはぜひとも見たい。でも一刻も早くクルメサヨリを持ち帰って撮影せねば。大事な魚を死なせるわけにはいかないということで、後ろ髪を引かれながら帰路につきました。でも近いうちに見に行こっと。

企画展の詳細はアクアワールド大洗のサイトで。

posted by matsuzawa at 21:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月09日

ひさしぶりの海

僕が撮影するのはおもに淡水魚。だからふだん潜るのは川や湖だけど、ここ数日は珍しく海に潜りました。
場所はこの8月にオープンしたばかりのダイビングスポット、伊戸。
いきなり伊戸って言われても「そこってどこにあるのよ?」ですよね。
千葉県の館山市、平砂浦海岸と洲崎の間にあります。

川の水中撮影ではいつも素潜り。それもほとんど水深50pくらいまでが潜る(浸かる?)範囲。たまに深くて2mだから、久しぶりのボートダイビングはワクワクしますね。天気がいいと海の上は本当に気持ちいい。川もいいけど海もやっぱりいいもんです。とはいえポイントは港からほんの数分なので、クルージングを楽しむ間もなく、すぐに着いてしまいましたが。

エントリー後、アンカーロープ伝いに潜行。海底に下りてすぐに目に入った魚がこいつ。


kue.JPG


クエです。
それにしてもでかい。1mは確実に超えてます。1m20pぐらいはあるのかな。

ただ今回の目的はクエではないので、早々に切り上げ目的の生物を探しに行きました。本当はもっと撮影したかったんだけどね。またの機会にしましょう。

ところでこの伊戸ダイビングサービス、目の前のロケーションが抜群にいいんですよ。とくに夕暮れは最高です。

夕景の写真はダイビングサービスのサイトにアップされているので、こちらからどうぞ。

ちなみにですが、マネージャーの塩田さんとスタッフの山本さんはカメラマンになる前に働いていたダイビングショップの元同僚。信頼できるインストラクターです。


posted by matsuzawa at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 海水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月01日

二つの名前

今日は水槽でコトヒキを撮ってみた。


kotohiki.jpg


やや南方系の種で、関東地方では夏から秋にかけて内湾や磯の潮溜まりでよく見かけます。

ところでこの魚、コトヒキの他に和名がもう一つあります。

最近の魚の図鑑は、東海大学出版の「日本産魚類検索」に出ている名前を使っているので、コトヒキに統一されているんですが、20〜30年ほど前(あるいはそれ以前)の図鑑を見ると、コトヒキの名前で出ていたり、ヤガタイサキの名前で出ていたりします。

和名が二つある魚は他にもいます。カマキリが別の図鑑ではアユカケ、イセゴイも別の図鑑ではハイレンの名前で出ています。

ただ、なんで図鑑によって名前が違うのか、その辺の事情はよくわかりません。著者の考えが反映されているのは間違いないんでしょうけど。

posted by matsuzawa at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする