2010年09月29日

ホンマス

ホンマスという魚を淡水魚図鑑で探してみても、きっと載っていないと思います。

なぜか?

それはホンマスという名前が中禅寺湖オリジナルの呼び名だから。

じつはホンマスという魚は、ビワマスとサクラマスの雑種なのです。
もともと魚がすんでいなかった中禅寺湖ですが、明治時代になるといろいろな魚が放流されました。その中にはごく近縁のビワマスとサクラマスもいたんですね。産卵期も産卵場所も重なるビワマスとサクラマスは自然に交雑。しかもその交雑種には繁殖能力もありました。

だからホンマスをビワマスかサクラマスのどちらかの名前で呼ぶのは適当ではないし、かといってビワマスとサクラマスの交雑種と呼ぶのは長ったらしいし味気ない。ホンマスって実にしっくりくる名前だと思います。

さて、川に上ってきたホンマスの雄は産卵を間近に控え、鮮やかな婚姻色に彩られています。中でも大型の雄はとくに色彩が鮮やかで見ごたえあり。この魚もまた、いつまでも水中で眺めていたくなる魅力があるのです。


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2010年09月28日

ヒメマスの季節

久しぶりに奥日光に行ってきました。狙いはヒメマス。

場所は中禅寺湖に注ぐ川。特別に許可をいただいて潜らせてもらってます。

この川に来るのは実に久しぶり。5年ほど間が開いてしまっただろうか。今年は中禅寺湖の水位が低いようで、川の流れが速すぎる。ヒメマスはそれなりに上っていたけれど、どうやら産卵に適した場所はあまりなさそう。

しかも夏の異常な暑さのために例年に比べ水温が幾分高いのか、産卵床を掘るメスの姿はまったくない。結局産卵の瞬間を撮影することはできなかったけど、清冽な流れに浸かるだけで心地いいし満足してしまう。

とはいえ水温は約8℃。肌が露出している部分はひんやりどころかすぐに痛くなるし、川から上がれば皮膚はがさがさ。長時間潜れば体は芯まで冷えきって、筋肉はがちがちにこわばってしまう。それでも写真のような魚が目の前にいると、なかなか水から上がれないんですよね。

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2010年09月21日

ハクレンバーガー

18日の読売新聞朝刊京葉版に、「ハクレンバーガー」なるものが紹介されていました。なんでもご当地グルメでおもてなしをしようと、千葉国体の会場(千葉マリンスタジアム)近くで限定200個無料配布されるとか。

僕は千葉県民でありながら、ハクレンバーガーがご当地グルメだということを知りませんでした。というよりハクレンバーガー自体知りませんでした。

ところで「ハクレンてなに?」と思う方もいるでしょう。街路樹として植えられている、あのハクレン(ハクモクレン)ではないですよ。淡水魚のハクレンです。

ハクレンは日本では利根川水系でのみ繁殖が知られる、中国大陸原産の淡水魚。最大で1m程度になります。主食は植物プランクトン。

以前ハクレンを食べたという人に聞いた話では「あの魚は臭くて…」。ネパールにコクレンなどの淡水魚養殖の技術指導に行っていた大学時代の友人も、「養殖するのはほとんどがコクレン。コクレンはうまいんだよ。でもハクレンはねぇ…」。コクレンはハクレンによく似た魚。でも主食は動物プランクトン。食べてる餌はまるで違うんですね。となれば身のにおいや味が違うのも当然かも。
 
とまぁ、あまりよい評判を聞かないハクレンですが、調理の仕方しだいではおいしくなるのでしょうね。というのも他にもそんな例があるからです。

学生のころ芦ノ湖で釣ったオオクチバスを食べたことがあります。しかし臭くて食えませんでした。その後西湖で釣ったオオクチバスを食べました。やはり臭くて食えませんでした。

オオクチバスはそれ自体が持つ独特の臭みがあるんですね。水がきれいなところで育ったものでも、臭いものは臭いのです。

ただ今年になって久しぶりにオオクチバスを食べました。場所は琵琶湖博物館のレストラン。正直恐る恐るといった感じでしたが、これがまったく臭くない。しかも白身であっさりしていて、今までに食べたことがあるオオクチバスとはまるで違いました。

オオクチバスを研究している琵琶湖博物館の中井さんに聞いたところ、オオクチバスのにおいのもとは体表のぬめり。これの処理を誤るととても食えたものではないそう。まさに僕の調理がそうだったのですね。オオクチバスのぬめりを取るには、熱湯をかけてしまうのがいいそうです。ぬめりが白く固まったら、水で流しながら指ではぐのが簡単確実だと中井さんが教えてくれました。

ハクレンはオイルに漬けて臭みを取ると新聞に出てました。やはり一筋縄ではいかない食材なのかも。ただ食材としての利用が難しいから、捕まえたらそのまま処分というより、こうして何とか食材に利用するというのは歓迎すべきことだと思います。なにはともあれ、僕も一度ハクレンバーガーを食べてみないとなあ。

ハクレンの写真はこちら

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2010年09月17日

増刷

さきほど「原寸大すいぞく館」の増刷が決まったと、担当の編集長から連絡がありました。
今回で5刷です。

3月1日発売だから、半年足らずで5刷までいきました。
いやあすごい。

本を作る以上、やはり多くの人に読んでほしいというのが本音。そしてこのような本の制作に携われたというのはやはりうれしいものです。

「原寸大すいぞく館」には大迫力のジンベエザメやシャチ、そして世界最大のタカアシガニといろんな生物が登場。さらにかわいいラッコの寝姿やタツノオトシゴの赤ちゃんまで、すべてが原寸大で掲載されています。

まだお手元にない方はぜひご覧になってみてください。


posted by matsuzawa at 18:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月16日

関東のシナイモツゴ


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写真はシナイモツゴという地味ーな小魚ですが、じつはかなり貴重な魚。シナイモツゴ自体絶滅危惧種に指定されるほど数が減っているのですが、写真のものはすでに絶滅していると考えられていた関東某所で見つかったものなのです。関東地方では戦後すぐぐらいまでは記録があるのですが、それもほんの数箇所だけのようで、それからまもなく姿を消しているようです。

このシナイモツゴ生息地は、友人のそのまた知人が見つけた場所なので、これ以上は明かせません(といってもネット上に詳細な情報をはなから書けるはずもないのですが)。その場所にシナイモツゴがいることを聞いたのは3年ほど前のこと。せっかく教えていただいたのになかなか採集に行けず、つい先日やっと捕りに行くことができました。

さて、このシナイモツゴ、もともとそこにいたものか、それとも最近になって移殖されたものかという疑問が出てきますが、僕は奇跡的に残っていたものではないかと思います。理由はいろいろあるのですが、これまた場所の特定につながっても困るので、そんな感じがしたということで。

※この貴重な生息地の情報をくれた方々に、この場を借りてお礼申し上げます。

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2010年09月15日

酷暑で魚もダウン

今年の夏は暑かったですねぇ。この異様な暑さで、撮影用に飼育していた魚をずいぶん死なせてしまいました。数年前に採集してきたウケクチウグイはやっと30センチを越えるまでに育ったのに、酷暑ともいえる暑さでダウン。アカメもダウン。また暑さには強いはずのヒナモロコやカワバタモロコも、あまりの高水温で病気が連発。さすがにかなりのストレスだったのでしょう。

そんなわけで水槽がずいぶん寂しくなりました。こうも死なせてしまうと仕事とはいえ魚を飼うのがおっくうです。当面は生き残った魚の撮影だけにして、新たな採集は控えるとしよう。

posted by matsuzawa at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水魚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

地曳網で観察会

今年も千葉県立中央博物館主催の地曳網観察会に参加してきました。昨年同様子供たちの都合が悪く、結局うちからは僕一人での参加。てなわけで今年もお手伝いに回りました。


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漁師さんが網を入れ終わると、参加者全員で網をひきます。昨年経験していたのでわかってはいたのですが、やはり網は重い。しかも午前中にもかかわらず気温もぐんぐん上昇。それでもみんな黙々と網をひきます。波打ち際で綱をつかんだら、そのまま浜へと歩きながら引っ張り、一番後ろまで引っ張ったら、また波打ち際へと移動し綱をつかんで歩きながら引っ張るの繰り返し。


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そんなことを10回ほど繰り返すと、いよいよ網が波打ち際まで寄せられてきました。中を覗くとアジとアカエイ、それにクロウシノシタが目立ちます。昨年はスズキ、カタクチイワシ、ボラ、マルタがおもな漁獲物だったので、ずいぶん種類が違います。同じ時期に同じ場所に網を入れても、こんなに違うもんなんですね。


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その後は網元の休憩所に移動して獲れた魚の観察。
トレーに魚を並べると、子供たちが集まってきます。観察会に参加するだけあってみんな魚が好きなんですね。しかも驚くほど魚に詳しい。いろんな魚を知っています。

ところで昨年の地曳網観察会もほぼ同時期の開催。それを思うと1年てなんて早いんだろうと実感します。昨年の今頃はたしか「原寸大すいぞく館」の撮影がピークに達していて、漁船に乗ったり、連日水族館に通ったり、やたらと忙しかったのを記憶しています。その後は「メダカの飼育12か月」と「外国から来た魚」の原稿書きに追われ、なんだかあっという間に時間が過ぎてしまいました。

さて今年の秋は少し時間に余裕がありそうなので、久しぶりに好きなサケ科の撮影をしてみようかな。

※写真提供 千葉県立中央博物館
posted by matsuzawa at 23:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする